梅雨時期に入ると急増する寝違いやぎっくり腰の患者様、これは天候が不安定になり気圧の変化に私達の身体が影響されているせいだと言われています。
今回は寝違いの対処法をお知らせしておきます。
一般的に「寝違い」と呼ばれる症状の多くは、首周辺の筋肉が軽度の肉離れを起こしている状態を指します。
睡眠中でも頭の高さは身体の中心軸にあって欲しいのですが、枕の高さが合わないなど、どうしてもその位置からずれがちです。長時間にわたって首がおかしな方向に曲がったままになっていると、首の筋肉が部分的な阻血状態になり、筋肉も凝り固まりやすくなります。そのような状態で起床時に急に頭や首を動かすと、寝違いが発生するのです。
スポーツをするとき、ストレッチをせずにいきなり激しい運動をしたら筋肉を傷めてしまいますよね。それと同じで、睡眠中に凝り固まった筋肉をいきなり動かすと、軽度の肉離れが起きるのです。つまり寝違えは、寝ている時に生じるわけでは無く、寝違いの原因は睡眠中に作られますが、寝違いの炎症が発生するのは主に起床時なのです。
実は寝違いにも種類があります。筋膜を傷めているケースと、中心部分を傷めているケースです。
例えば、首を右に回したときに左側が痛ければ、筋膜(筋肉の表面を覆う膜)が傷ついている可能性が高いと言えます。反対に、首を右に回したときに右側が痛ければ、筋肉の中心部分が傷ついている疑いが。前者の方が痛みは強く、治りにくい傾向があります。
「寝違い」のなかには、神経痛やねんざのケースもあります。
ご紹介した通り、寝違いの多くの原因は軽度の肉離れですが、まれに頸椎に神経痛やねんざが発症しているケースもあります。
末しょう神経が圧迫されることで、痛みやしびれ・まひが生じるのが神経痛です。不自然な姿勢で寝ていたことで頸椎(けいつい)周辺の神経が圧迫され、神経痛になる事があります。首から肩や腕・手指に痛みやしびれがある場合は、神経痛が疑われます。
ねんざとは、関節のじん帯や腱(けん)・軟骨などが傷つくケガのこと。例えば、睡眠時に頭が長時間、極端にのけぞった状態になっていると、頸椎がねんざすることがあります。
朝起きて「寝違えた!」と思ったら、とにかく楽な位置から首を動かさないことが大切です。
痛みが出てから48時間程度は、消炎鎮痛成分が入っている冷湿布を貼るのもおすすめ。ただし、長時間貼るのは避けてください。目安は1時間程度です。
「とりあえず動作確認しよう」と、首を左右前後に倒してみたり、手で触ってみたりするのは良くありません。寝違いは炎症、つまりケガです。なるべく動かさない・触らないようにしてください。痛みや違和感を治そうと、首のストレッチをしたりもんだりすると、更に悪化させてしまう場合も有ります。安静が一番早く治すコツですね!
また、アイスパックや氷のうを使って長時間冷やすのもおすすめできません。 アイシングをすると、一時的な鎮痛効果は得られます。その一方で筋肉の血流が悪化するため、損傷部位の回復が遅くなる可能性が考えられます。また、筋肉ではなくじん帯や神経を傷めている場合は、炎症が首の奥深い部分にあるので、冷やしたところで鎮痛効果が期待できません。
このほか、炎症を起こした直後は温めるのも良くありません。患部は熱を持っているため、温めると炎症を助長させてしまうおそれがあります。温湿布やカイロを使って温めるのはもちろん、湯船につかるのも避けたほうがいいでしょう。
寝違えた直後は一時的に冷やすのはOKですが、長期的に冷やすのはNG。温めるのは、痛みが治まる安定期までNGと覚えると良いでしょう。
初期段階は、とにかく安静にしましょう。「痛い」と感じる動作は避けてください。傷ついた組織を修復するためには、これ以上の治療はないとも言えます。初期のマッサージはNGです、神経性のものだと気持ちの良いマッサージは神経を興奮っせてしまい痛みが増します。痛みが強いポイントを強めに30秒くらい指圧すると鎮静作用が働いて痛みを和らげます。
痛みが和らぐ安定期に入ったら、血流を良くして回復を促しましょう。血流改善には、温める・ストレッチをする・マッサージをするなどいろいろな方法があります。どの方法が適切かは病態によって異なるため、専門家の指示に従うように。